🌎 Climate Tech 冬の終焉の兆し?#85

🌎 Climate Tech 冬の終焉の兆し?#85

おはようございます。

今週は雲が多めですが、時々日差しも。所々で雨がパラつくかもしれませんが、水分補給や天候に気をつけてお過ごしください。

今週は第三四半期のClimate Tech投資トレンドがあり、素材、農業系スタートアップが資金調達を実施したと発表しました。


📊24年Q3調達額は217億円

投資額前期比調達額で約14%減少件数は2倍以上増加

Source: Climate Tech Japan's Deal Tracker

💴24年度3四半期、Climate Tech領域で国内スタートアップが217億円の資金調達を実施しました。

  1. Q1, Q2と比較するとQ3もやや減少(217.01億円、25件)の傾向ではありますが、25件の内12件以上のスタートアップがフォローオン投資が行なっており、第二四半期で見たフォローオン投資しないトレンドが破れてきました。
  2. マクロ的にも中国撤退しているファンドが多く見られ、海外では金利が減少傾向であり、リスクマネが有望なスタートアップに流れている傾向であります。
  3. ただし、件あたりの調達額は引き続き底面しており、エコシステム全体を考えるとあげる必要があります。

⏭️資金調達ステージ: 比較的多くのスタートアップが初期段階(Seed、Pre-Series A、Series A)で資金を調達しており、これらの技術がまだ開発段階にあることを示しています。特に今後の成長に向けて、スケールアップや市場展開の準備が進められていると考えられる。

主な分野ごとのトレンド

♻️循環型経済とリサイクル:Q3は特に 環境に優しいサプライチェーンや素材リサイクルへの注力が増しており、特に技術リスクが低いリサイクル技術に注目が集まっています。

⚡️エネルギー管理やモビリティの分野では、AIや自動化技術が脱炭素化の推進力として重要な役割を果たしており、これらの分野での技術革新が今後の成長を牽引する可能性が高い。

Source: Climate Tech Japan's Deal Tracker

💰ファンドの主に動き

Climate Tech Japanのデータによると

  1. 第三四半期、日本のClimate Tech関連ファンドが総額881〜921億円規模で設立されました。地域の脱炭素化やインパクト投資を中心に、シード段階から大規模投資まで幅広くサポートしており、
  2. 特に海外進出支援やクロスボーダー投資が重要なトレンドとして浮かび上がっています。
  3. 引き続き、ファンド保有額が増加しており、国内投資案件が少ない中、ファンドがClimate Tech領域意外もしくは海外のスタートアップに投資することも見られています。

2024年Q3のClimate Tech投資は、217億円の調達額で前期比14%減少しましたが、件数は倍増し、特にフォローオン投資が増加しました。循環型経済やリサイクル技術に注目が集まる一方、エネルギー管理やモビリティ分野ではAIと自動化が鍵となっています。ファンドは国内外の脱炭素化やインパクト投資を強化し、グローバルな投資トレンドに対応しています。資金調達額が安定する中、エコシステム全体でさらなる成長が期待されます。


ニュースレターの登録はまだですか?

📩 投資情報、イベントや機会はこちらに送信してください。


📰今週のニュース

🔥イギリス最後の石炭火力発電所が運転を終了、142年にわたる石炭への依存に終止符が打たれましたイギリスの再生可能エネルギーによる発電量は2024年前半には50%以上に増加、一方で石炭火力はここ10年で急減していました。

💨日本政府は指定区域での公募を通じて洋上風力発電の施設整備を進める海域として北海道沖を追加する方針です。2024年度中にも事業者を決める公募を始め、発電能力は30万キロワット程度を見込み、原子力発電所0.5基分ほどに当たります。

🌭農林水産省は2024年度中にも加工食品メーカー向けに、製品ごとの出荷までの二酸化炭素(CO2)排出量を示すカーボンフットプリント(CFP)の算定に関する指針を策定する予定です。同省として業界向けに指針を示すのは初めてで、食品産業全体での脱炭素を後押しする方針です。

📄ブルームバーグNEFが日本版の長期エネルギー見通し(NEO)を発表。レポートでは、日本の2050年のネットゼロ達成のためには今後10年間で約320兆円の投資が必要だと述べられています。


💵今週の資金調達

🏭️金属の製造・リサイクルにおける脱炭素化を推進するSUN METALONは、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、HITE Hedge Asset Management、住友商事グローバルメタルズ、UTEC、グロービス・キャピタル・パートナーズ、D4V、i-nest capital、Scrum Ventures、Berkeley SkyDeckより、総額31億円の資金調達を実施したと発表しました。

🌿中性子線育種技術で農作物の品種改良のスピードを高めるクォンタムフラワーズ&フーズは、環境エネルギー投資等からシリーズAラウンドにて総額3.0億円の資金調達を実施したと発表しました。

🚛商用EVの開発・量産に取り組むEV モーターズ・ジャパン は、アイティーファームより1億500万円の資金調達を実施したと発表しました。

⚗️サステナブルな天然界面活性剤の開発、量産、販売を行うアライドカーボンソリューションズは、シリーズCラウンドにて総額5.5億円の資金調達を実施したと発表しました。

🍚大豆発酵食品を開発・製造・販売するハッコウホールディングスは、東北大学ベンチャーパートナーズより資金調達(金額非公開)を実施したと発表しました。

🧪藻類による有用脂質生産を研究するファイトリピッド・テクノロジーズは、総額3千万円の資金調達を実施したと発表しました。

☘️わさびの自動栽培に取り組むNEXTAGEは、シリーズAラウンドの資金調達を実施したと発表しました。

⚡️EV充電インフラを手掛けるユアスタンドは、AGSコンサルティングから第三者割当増資(金額非公開)を実施したと発表しました。

🌳森林資源を管理・活用支援を行うこのほしは、Central Japan Seed Fund、あきぎんキャピタルパートナーズから資金調達を実施したと発表しました。


⛳️ファンド設立・買収・IPO

⬆️アニマルスピリッツ:投資対象に脱炭素、循環型経済の実現に向けたシステム構築に取り組むスタートアップを含む独立系VCアニマルスピリッツは2023年より運用を行う1号ファンドを総額約60億円にてファイナルクローズしたと発表しました。

💴国際協力銀行(JBIC)は、海外で新たな事業を始める日本のスタートアップ向けに総額200億円のファンドを設立したと発表しました。


📣今週の公募

🏃‍♂️BNEF Pioneers 2025:低炭素経済の実現に向けて先進的なスタートアップを評価するBNEF Pioneersプログラムが募集開始しました。締め切りは11月1日で、特に、軽工業、エネルギー貯蔵、適応に関わっている日本のスタートアップ、応募してみてください。詳細はこちらから!


以上、日本や世界でのClimate Techに関する情報をご紹介しました。それでは、良い一週間をお過ごしください!

Climate Techに関する新しいアイデアや、イベント、関心/興味のあるトピックがあれば、ぜひClimate Tech Japanにまでお寄せください。


ニュースレターの登録はお済みですか?