🌎日本のClimate Techエコシステムの課題 #33
Happy Weekend!
今週は関東地方が暑くなってきました。水分をきちんととりましょう。今週はEV充填インフラ、ESG系のスタートアップが資金調達しました。
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Climate Techエコシステム課題
6月22日Climate Tech Japan(CTJ)のコミュニティイベントが行われました。投資家と起業家の目線から課題とこれから取るべきアクションについて話しました。
当日のディスカッションを踏まえて日本のClimate Techエコシステムの課題は以下の5つのカテゴリに分けられると思います。
📡カテゴリ1:技術とイノベーション
- ディープテックの商業化:研究室で開発された技術を実用化するプロセスに課題があります。こちらに関して投資家が既存より多く大学、研究施設などを訪問する必要があり、拠点を大学の近くに置く必要があります。
- 限られた既存技術:2050年のネットゼロ排出を達成するためには、現在の技術だけでは不十分です。
🤺カテゴリ2: 市場と競争力
- 資金調達と成長:スタートアップが資金を調達し、市場で競争力を獲得することに課題があります。レターステージの投資が流れていくことは市場にレターステージの技術があるということに繋がりますが、現状ではレターに投資が少ないです。
💸カテゴリ3: 投資と金融
- 金融の変革:金融業界もクライメイトテックスタートアップを支援するために変革する必要があります。既存の投資仮説で投資できない技術があるため、新しい商品開発、もしくはロングタームをゴールにして挑戦する必要があります。これはVCだけではなく、LPである銀行、保証側の保険会社、ファンドなどの役割になります。
👩🏻🔬カテゴリ4: 人材と組織
- 学際的なスキルとチームダイナミクス:異なる領域を結びつける能力が不足しており、技術とビジネスの協力が改善される必要があります。この問題は世界各国で起こっているため、解決事例もあります。ただし、これだけで済まず、少なくとも高校生レベルからClimate Techとこれにある経済的、環境的な価値の意識を普及する必要があります。また、日本を代表する起業家からの後押しの必要性が高まります。
- 営業能力とメリットの伝達:スタートアップは企業や個人に対してメリットを明確に伝える営業能力が求められます。
🏛️カテゴリ5: 政治と社会的関与
- 政治的な関与と市場成長:クライメイトテックは政治や社会と関わり合い、成長の確実性を持つ市場です。政府から技術を保証する法案と技術の流動性を高めにする法案が鍵になってきます。
これらの課題について引き続きフォローしていきたいと思います。
📰今週のニュース
🇫🇷先週パリで開かれた気候変動資金協議では、発展途上国が気候変動対策へのさらなる資金提供を求めて争ったが、サミットは世界的な運送税協定や西側諸国からの有意義な約束もなく閉幕しました。
🛜 KDDIは、1月、再生エネ事業を手掛ける子会社として「auリニューアブルエナジー」を設立し、2030年度までに、再生可能エネルギー子会社を通じて1500億円以上を環境分野に投資することを発表しました。太陽光発電設備や蓄電池を通信基地局などに設置するほか、バイオマス発電など新領域への参入予定です。
😰3Mは、全米の町の水を「永久化学物質」(別名PFAS)で汚染したと主張する訴訟で、103億ドルで和解しました。 同社は不正行為を認めなかったが、今後企業責任に大きいな先行事例の裁判になったと言われています。
💵今週の資金調達
🚘EV充電インフラ「Terra Charge」を提供するTerra Motorsは、シリーズCラウンドで大阪ガス、東京センチュリー、住友三井オートサービス、ペガサス・テック・ベンチャーズから総額40億円の資金調達を実施したことを発表しました。
🌿企業のESG情報開示の業務負荷を軽減する「SmartESG」を開発・提供しているシェルパ・アンド・カンパニーは、エクステンションラウンドとしてWiLなどより総額4.1億円を調達したと発表しました。
📩 資金調達情報はぜひこちらに送ってください。
🗓イベント
☘️2023 年度シンポジウム「Climate Tech の最前線」:7/9(日) 13:00-17:00 早稲田大学小野記念講堂にて日本ビジネスモデル学会 (BMA) 主催で開催される予定です。詳細はこちら!
♻️【E&Eコミュニティ × 環境エネルギー投資コラボ企画】起業家輩出塾! 脱炭素起業家たちの挑戦〜アスエネ株式会社編〜 #3:7/19(金) 19:00-21:00 オンライン及びCIC Japanにて開催される予定です。詳細はこちら!
気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するため平成29年12月に設立された、中央銀行・金融監督当局のネットワークです。NGFSへの参加により、気候変動リスクへの金融監督上の対応について、国際的な議論の場で国内での検討に基づく建設的な提言を行うとともに、国内の課題への対応に国際的な議論の積み重ねを活用することができるようになります。6月9日に、「気候シナリオに関する調査―主な結果」として文書が公表されました。
以上、日本や世界での気候変動に関するイベントや機会をご紹介しました。新しいアイデア、イベントや公募、関心・興味のあるトピックがあれば、ぜひClimate Tech Japanにまでお寄せください。
それでは、良い一週間をお過ごしください!
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