Happy Weekend!

5/19(金)~22(日)のG7広島サミットから目が離せない1週間でしたね!ゼレンスキー大統領の電撃来日が取り沙汰されましたが、気候変動対策に関しては、大きな前進がなかったとも言えるG7だったのではないでしょうか。

今週はそんなG7に関わる動向を含め、Climate Tech関連の資金調達・ファンド組成・イベントについてお送りします。

また、Climate Tech Japan(CTJ)初めてのコミュニティイベントにて投資家と起業家目線で国内投資トレンドと課題を議論する予定です。


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📰今週のニュース

🌏 G7首脳会談では20日、気候変動、エネルギー、環境について議論し、2030年までに太陽光発電を現在の3倍の1テラワット以上に増やし、洋上風力発電を7倍の150ギガワット分増やす目標を掲げることに合意しました。「排出削減対策がとられていない化石燃料の段階的廃止」も首脳声明に初めて盛り込まれましたが、天然ガス投資は容認することにしました

🚗  G7は、20日の首脳会議で、遅くとも2050年までの脱炭素社会の実現を目指し、取り組みを加速することを確認しました。新車だけでなく保有車も含めたCO2の排出を削減していくことを共有しました。

🏙️ 東京都は2025年度からオフィスビルなどに義務付けていた二酸化炭素(CO2)の排出削減の割合を大幅に引き上げました。制度改正案では同年度から始まる新築住宅への太陽光パネル設置義務と併せて産業及び家庭部門で脱炭素化を加速する方針としています。両部門のCO2排出量は全体の8割を占めるのです!都内の脱炭素化を進めることで、都市から国際競争力を高めていきます。

⛽️ ENEOSホールディングスは2026年3月期を最終年度とする中期経営計画において、今後3年間で再生可能エネルギーや水素、CCSなど脱炭素技術に4300億円を投じることを発表しました。再エネについては、太陽光と陸上風力を中心に開発し、電源容量を200万キロワットまで引き上げるという。再生航空燃料(SAF)についても26年に製造を開始し、国内シェア50%を目指しており、また、ガソリンに水素由来の合成燃料やエタノールなどカーボンニュートラル燃料を10%混合させ、低炭素ハイオクガソリンとして販売することも検討しています。

💴投資銀行JPモルガン・チェースは、持続可能性への取り組みの一環として、二酸化炭素除去クレジットに2億ドル以上を費やし、80万トンの排出量をDACなどを含む、多様な技術を使用しながら炭素除去する予定であると発表しました。


💵今週の資金調達

🌽 食料生産システムの課題解決を目指すTOWINGは、第三者割当増資ならびに、日本政策金融公庫、愛知銀行の融資により、総額約8.4億円の調達を実施しました。

💻 商品・サービスのカーボンニュートラル化を支援するSaaS「カーボンオフセットクラウド」を提供するSustineriは、環境エネルギー投資、インキュベイトファンドを引き受け先とした第三者割当増資により、1憶円の資金調達を実施しました。

💡 京都フュージョニアリングは、シリーズCラウンドで総額105億円の資金調達を実施しました。これにより、累計資金調達額は122億円となります。今回の資金調達によって獲得した資金で、主力製品である核融合炉周辺装置やプラントの研究開発を加速させていこうとする予定です。また、米国・英国を拠点とした事業拡大を見込んでいます。

📩 資金調達情報はぜひこちらに送ってください。


ファンド設立・買収

🔌 TDKは5/19、脱炭素に関連したスタートアップに投資する新たなCVCファンドを6月に設立すると発表しました。運用総額は最大1億5000万ドル(約200億円)で、期間は5年間を予定しています。設立するファンド「Fund EX1」は主に米国や欧州を対象に、脱炭素に貢献する技術や事業を持つスタートアップに投資する予定です。2019年に設立したTDKベンチャーズではこれまでに約30のスタートアップに出資した実績があります。

💰 ニッセイ・キャピタルは、サステナビリティ課題解決ファンド1号を設立したと発表しました。サステナビリティの観点で社会貢献が期待されるスタートアップに集中的に投資を行うことを目的とするテーマ特化型のファンドであり、投資先のスタートアップを長期間に渡って支援するため、ファンド期間は、18年間に設定されている。


🗓イベント

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Climate Techトレンドと2030年まで取るべきアクション』: 6月22日(木)20時〜21時、Climate Tech Japan主催で日本のClimate Techトレンドと2030年まで取るべきアクションをデータに基づいて投資家と起業家目線で議論する予定です。皆さんの参加をお待ちしております。詳細はこちらから!

📑 世界の脱炭素(Climate Tech)関連投資の最新動向&注目スタートアップ:6月2日(金)8時半から開催されるTackle!では「世界の脱炭素(Climate Tech)関連投資の最新動向&注目スタートアップ」を解説します。Tackle! は、サンフランシスコと東京に拠点を持つ「スクラムベンチャーズ」が主催する、シリコンバレーの最新動向をキャッチアップするためのインタラクティブな勉強会です。

🎤 You はどうして Climate Tech に?:6月13日(火) 19時半から東京大学 FoundXによる「You はどうして Climate Tech に?対談を通して「起業家や投資家は Climate Tech のどこに可能性を見出しているのか」をキャッチアップすることができます。

🏆 ESG TECH PITCH #7 - Fintech & Carbon Credits編:6月16日(金)18時からESG系のスタートアップ&研究者、起業家が大集結するESG TECH BATTLEのテーマ別ピッチシリーズ第7弾 Fintech & Carbon Credits編が開催されます。日本でも経産省が主導する企業間の自主的排出量取引の新制度「GX-ETS」の立ち上げ準備が進んでおり、スタートアップ企業の参入も増えています。本イベントでは、未来を担うグリーンフィンテック関連の革新的なビジネスモデルや差別化技術を持つESG系スタートアップや起業家によるピッチバトルが繰り広げられます。


💡
今週のキーワード:CCU / CCUS
「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で、日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれます。発電所や化学工場などから排出されたCO2を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。
他方「CCUS」は、「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、分離・貯留したCO2を利用しようというものです。たとえば米国では、CO2を古い油田に注入することで、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、全体ではCO2削減が実現できるほか、石油の増産にもつながるとして、ビジネスになっています。

以上、日本や世界での気候変動に関するイベントや機会をご紹介しました。新しいアイデア、イベントや公募、関心・興味のあるトピックがあれば、ぜひClimate Tech Japanにまでお寄せください。

それでは、良い一週間をお過ごしください!


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🌎炭素除去の動き #28